兄弟の相続で揉めないためには?法定相続分や遺産の分け方、注意点を解説
親が亡くなったあと、残された財産を兄弟でどう分けるかという話し合いは、多くの家庭が一度は向き合う場面です。日ごろは仲の良い兄弟であっても、実家の建物や預貯金の分け方をめぐって、思いがけない食い違いが生まれることは珍しくありません。
「相続 兄弟」というキーワードで情報を探している方の多くは、二つのまったく異なる状況のどちらかに置かれています。ひとつは、親が亡くなり、その子どもである兄弟同士で遺産を分けるという状況です。もうひとつは、子どものいない兄弟姉妹が亡くなり、自分が相続人になったという状況です。
この二つは同じ「兄弟の相続」という言葉で語られがちですが、相続人の範囲も法定相続分も遺留分の有無も異なります。自分がどちらの立場にあるのかを取り違えたまま話を進めると、想定していた取り分と実際の権利がずれてしまい、あとから話し合いをやり直すことにもなりかねません。
さらに、兄弟間の遺産分割が難しくなる理由は、金額の問題だけではありません。誰が親の介護を担ったのか、誰が生前に援助を受けていたのか、実家に対してどれだけ思い入れがあるのか。こうした数字にしにくい事情が絡み合うことで、話し合いが感情的になりやすい傾向があります。
加えて、遺産の中心が不動産である場合は、そもそも物理的に等分することができません。現金と違って不動産は切り分けられないという性質が、兄弟間の不公平感を生む大きな要因になっています。この点をどう乗り越えるかが、円満な相続の分かれ道といえます。
本記事では、兄弟が関係する相続の基本的な仕組みから、ケース別の法定相続分、起こりやすいトラブルの中身、遺産を分ける四つの方法、そして揉めごとを未然に防ぐための具体的な対策までを、順を追って解説します。
読み終えるころには、自分がどの立場の相続人で、どのような選択肢があり、次に何から手をつければよいのかが整理できるはずです。手続きの負担や費用への不安についても触れていきますので、これから話し合いを始める方も、すでに行き詰まっている方も、ぜひ参考にしてください。

目次
兄弟が関係する相続の基本
相続の場面で「兄弟」という言葉が出てくるとき、その意味は文脈によって大きく変わります。亡くなった方から見て子どもにあたる兄弟同士なのか、亡くなった方自身の兄弟姉妹なのかで、法律上の扱いは別ものになります。
民法では配偶者が常に相続人となり、それ以外の親族には順番が定められています。第一順位が子ども、第二順位が父母、第三順位が兄弟姉妹という並びで、上の順位に該当する人がいれば下の順位に相続権は回りません。
兄弟で親の財産を相続するケース
もっとも一般的なのが、親が亡くなり、その子どもである兄弟が相続人になるパターンです。母親が存命であれば母と子どもたちが相続人となり、母もすでに亡くなっていれば子どもだけで遺産を分けます。
親の子どもである兄弟全員が相続人になる
親の相続では、子どもである兄弟姉妹の全員が相続人になります。長男だから多く受け取れる、家を出た娘だから権利がない、といった慣習的な考え方は現在の民法では通用しません。
注意したいのは相続人となる子どもの範囲です。結婚して姓が変わった子、養子縁組をした子、前の配偶者との間の子、認知された子のいずれも実子と同じ立場で相続する権利を持ちます。
親より先に亡くなった子どもに子がいる場合は孫が代襲相続する
兄弟の中に親より先に亡くなった人がいて、その人に子どもがいるときは、その孫が代わりに相続人になります。これを代襲相続といい、本来その親が受け取るはずだった相続分をそのまま引き継ぎます。
直系卑属の代襲相続には世代の制限がありません。孫も先に亡くなっていればひ孫が相続人になります。叔父や叔母と甥や姪が同じ席で話し合う形になるため、進め方には丁寧な配慮が求められます。
亡くなった方の兄弟姉妹が相続人になるケース
もうひとつが、亡くなった方自身の兄弟姉妹が相続人になる場合です。子どものいないご夫婦や生涯独身だった方が亡くなったときに生じやすく、相続の発生を知るのが遅れる傾向もみられます。
子どもや直系尊属がいない場合に兄弟姉妹が相続人になる
兄弟姉妹に相続権が回るのは、亡くなった方に子や孫がおらず、父母や祖父母も全員亡くなっている場合です。この二つの条件がそろって初めて第三順位の出番となります。
配偶者の有無は影響しません。配偶者がいる場合は配偶者と兄弟姉妹が共同で相続人となります。長年連れ添った妻が夫の弟や妹と自宅の分け方を協議するという構図は、心理的な負担が小さくありません。
甥や姪が代わりに相続するケース
兄弟姉妹が相続人になる場面では、その兄弟姉妹自身がすでに高齢であったり、先に亡くなっていたりすることもよくあります。その場合には次の世代である甥や姪が登場します。
兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は甥や姪が代襲相続する
兄弟姉妹が先に亡くなっていて子どもがいる場合、その甥や姪が代襲相続人になります。ただし、認められるのは甥や姪の一代限りで、その子がさらに代わって相続することはできません。
実務でとりわけ大変なのが、甥や姪と一度も会ったことがないという状況です。相続の連絡そのものが唐突な印象を与えかねないため、事情を丁寧に説明する書面を添えるなどの工夫が求められます。

兄弟で相続する場合の法定相続分
法定相続分とは、民法が定める遺産の取り分の目安です。全員が合意すれば異なる割合で分けても構いませんが、話し合いが行き詰まったときの基準になるため、正確に把握しておく価値があります。
兄弟が関係する相続では、この割合がケースによって大きく変わります。子どもとして相続するのか兄弟姉妹として相続するのかで受け取れる割合はまったく別ものです。代表的なパターンを一覧にまとめました。
| 相続人の組み合わせ | 配偶者の相続分 | 兄弟側の相続分 |
|---|---|---|
| 配偶者と子ども(兄弟) | 2分の1 | 2分の1を人数で均等に分ける |
| 子ども(兄弟)のみ | 該当なし | 全体を人数で均等に分ける |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 4分の3 | 4分の1を人数で均等に分ける |
| 兄弟姉妹のみ | 該当なし | 全体を人数で均等に分ける |
親の財産を子どもである兄弟が相続する場合
もう一方の親が存命であれば、その親が二分の一を相続し、残りを子どもたちで分けます。両親ともに亡くなっている場合は、兄弟の人数が多いほど一人あたりの取り分は小さくなります。
法定相続分は原則として兄弟で均等になる
子どもである兄弟の法定相続分は、原則として全員が同じ割合です。二人なら二分の一ずつ、三人なら三分の一ずつで、生まれた順番や性別による差は設けられていません。
具体例で見てみましょう。子どもが三人で、遺産が預貯金1,200万円と自宅不動産2,400万円の合計3,600万円なら、法定相続分は一人あたり1,200万円です。ところが現金は1,200万円しかありません。
自宅を誰かが取得すれば、その人だけが取り分を大きく超えます。この構造こそが不公平感を生む典型例です。なお相続人全員が納得すれば自由な割合で分けられる点も覚えておいてください。
配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹が相続する場合
「夫婦二人で築いた財産だからすべて妻が相続するのが当然」と考える方は少なくありません。しかし、遺言書がなければ兄弟姉妹の権利は法律上有効に発生します。
配偶者の法定相続分は4分の3、兄弟姉妹は全員で4分の1になる
この組み合わせでは、配偶者が四分の三、兄弟姉妹が全体で四分の一と定められています。配偶者の生活基盤を守る趣旨から、手厚い割合が設定されていると考えられます。
とはいえ四分の一は小さい数字ではありません。自宅のみで評価額4,000万円なら兄弟姉妹側は1,000万円相当となり、手元に現金がなければ自宅の売却を検討せざるを得ない事態も起こります。
兄弟姉妹が複数いる場合は4分の1を人数に応じて分ける
兄弟姉妹が二人なら一人あたり八分の一、三人なら十二分の一という計算になります。取り分が少なくても遺産分割協議には全員の参加と同意が必要で、特定の相続人を除外して進めることはできません。
相続分や相続できる権利が変わるケース
これまでの割合は基本形です。実際には家族の事情によって相続分が変動したり、主張できる権利の範囲が変わったりする場面があります。どちらも金額に直結する重要な違いです。
父母の一方だけが同じ兄弟姉妹の相続分は、父母の双方が同じ兄弟姉妹の2分の1になる
兄弟姉妹が相続人になる場合、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、双方を同じくする兄弟姉妹の二分の一とされています。弟一人と父だけが同じ妹一人なら、弟が3分の2、妹が3分の1です。
このルールは兄弟姉妹が相続人になるケースに限られ、子どもとして親の財産を相続する場面では適用されません。事情は両親の戸籍をたどって初めて判明することがほとんどです。
亡くなった方の兄弟姉妹には遺留分が認められていない
遺留分とは一定の相続人に保障された最低限の取り分です。配偶者、子ども、直系尊属には認められていますが、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。
そのため、子どものいない方が全財産を配偶者に相続させる遺言を残していれば、兄弟姉妹は金銭を請求できず、遺言の内容がそのまま実現します。子どものいないご夫婦こそ遺言書の効果が大きいといわれる理由です。

兄弟間の相続で起こりやすいトラブル
兄弟の相続でこじれる原因は、金額そのものよりも公平感をめぐる認識のずれにあることが多いといえます。法律上の割合は明快でも、当事者の納得感がそれに追いつかないのです。
よく寄せられるのは、不動産の扱い、介護や生前贈与をめぐる主張、連絡不足という三つの類型です。いずれも早い段階なら手を打てる問題ですので、典型例を知っておく意味は小さくありません。
実家などの不動産を公平に分けられない
最も多い火種が、実家の土地建物の扱いです。日本の家庭では遺産に占める不動産の割合が高く、遺産の大半が実家だけというケースでは法定相続分どおりに分けようとした時点で行き詰まります。
不動産を取得する兄弟と取得しない兄弟の間に不公平感が生じる
同居していた兄弟が住み続けたいと考える一方、離れて暮らす兄弟は現金での取得を希望する。住み続ける側は生活の場を失えませんが、他方からは不動産という大きな財産を一人が独占するようにも見えます。
さらに評価額をいくらとみるかで話は複雑になります。固定資産税評価額では2,000万円、市場価格では3,200万円といった差も生じ得るため、どの評価額を採用するかで代償金の額が変わります。
不動産を売却するか残すかで意見が分かれる
誰も住む予定がなくても、売るか残すかで意見が割れます。育った家への思い入れと維持費の負担が対立し、感情と経済合理性がぶつかり合う場面になりやすいためです。
判断材料として、残した場合のコストを具体的に示すのは有効です。固定資産税や火災保険料、庭木の手入れなどを合計すると年間で数万円から十数万円の負担が続くことになります。
介護や生前贈与をめぐって対立する
金額ではなく、これまでの経緯に対する評価をめぐる対立も多くみられます。こうした事情は記録として残っていないことがほとんどで、客観的な資料の有無が主張の通りやすさを左右します。
親の介護を担った兄弟が寄与分を主張する
長年介護をしてきた兄弟がその貢献を相続分に反映してほしいと考えるのは自然です。民法にも寄与分の制度がありますが、通常期待される程度の親孝行を超える貢献が求められ、認められるハードルは低くありません。
判断材料になるのは、仕事を辞めて介護に専念した期間の記録、負担した医療費の領収書、介護サービスの利用票などです。何も残していない場合、他の兄弟の反論と平行線になりがちです。
一部の兄弟への生前贈与が特別受益として問題になる
住宅購入資金や学費などのまとまった援助があった場合、特別受益にあたるかが争点になります。長男が1,000万円の援助を受けていれば、長男が実際に受け取る額は他の兄弟より少なくなる可能性があります。
問題は、援助を受けた側がその事実を認めない場合です。振込の記録が残っていればよいのですが、現金で渡されていた場合は立証が困難になります。日常的な生活費の援助までが対象になるわけではない点も押さえておきましょう。
相続人同士の連絡や情報共有が進まない
遺産分割協議は相続人全員の参加と合意で初めて成立します。裏を返せば、一人でも連絡が取れなければ手続き全体が止まってしまうということです。
疎遠な兄弟や連絡の取れない相続人がいる
長年連絡を取っていない兄弟がいる、住所すら分からないという相談は珍しくありません。まず手がかりになるのが戸籍の附票で、その戸籍が作られてから現在までの住所の移り変わりを確認できます。
それでも所在が判明しない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てます。ただし協議に加わるには別途、家庭裁判所の許可が必要となり、相応の時間がかかります。
預貯金の引き出しや財産管理の内容に疑いが生じる
通帳を預かっていた兄弟が「使い込んだのではないか」と疑われることがあります。使途の説明がつかない出金があると不信感につながるため、介護費用や医療費の領収書やメモを残しておくことが望まれます。
記録を残すことは、管理していた側が自分を守る手段にもなります。財産管理を任せる段階から、他の兄弟にも定期的に状況を共有する習慣をつくっておきましょう。

兄弟で遺産を分ける方法
遺産の分け方には法律上いくつかの選択肢があり、財産の種類ごとに組み合わせて使うことも可能です。代表的な方法は次の四つです。
- ・現物分割:財産をそのままの形で相続人ごとに割り当てる方法
- ・換価分割:財産を売却し、得られた代金を相続人で分ける方法
- ・代償分割:一人が財産を取得し、他の相続人に金銭を支払う方法
- ・共有分割:不動産などを相続人の共有名義とする方法
どの方法が最適かは遺産の中身と兄弟の希望次第です。実家に住み続けたい人がいるのか、全員が現金化を望んでいるのかによって、選ぶべき方向は変わってきます。
現物分割と換価分割
まずは比較的シンプルな二つの方法です。どちらも持分を共有し続けることがなく、手続き完了後に関係が残らない分け方として、将来のトラブルを避けたい場合に適しています。
財産をそのままの形で相続人に分ける現物分割
実家は長男、預貯金は次男というように、財産を種類ごとに割り当てる方法です。手続きがわかりやすい反面、取得する財産によって金額に差が出やすいため、差額の調整が必要になります。
財産を売却して得た代金を相続人で分ける換価分割
不動産などを売却して現金化し、代金を分ける方法です。一円単位まで法定相続分どおりに配分でき、固定資産税や管理の負担からも解放されます。
一方、希望価格ですぐ売れるとは限らず、仲介手数料や登記費用も差し引かれます。売却益が出れば譲渡所得として課税される可能性もあり、売却の前提として相続登記を済ませておく必要があります。
代償分割
特定の相続人が不動産を取得し、その代わりに他の相続人へ金銭を支払う方法です。実家に住み続けたい兄弟がいる場合の、現実的な落としどころとして選ばれます。
一人が財産を取得してほかの兄弟に代償金を支払う
評価額3,000万円の実家を長男が取得し、次男と長女に1,000万円ずつ支払うといった形です。住まいを守りながら分割の公平性を確保できる点が大きな魅力といえます。
財産の評価額と代償金を準備できるか確認する
成立には、評価額の合意と資金の準備という二つの条件が必要です。評価額は基準によって変わるため、不動産鑑定や複数社の査定を基準にそろえる工夫が有効です。
資金面では、生命保険金を代償金の原資に充てる方法もよく用いられます。用意できない場合は、支払える見込みのない約束は後の紛争の火種になりかねないため、換価分割への切り替えも検討してください。
共有分割
不動産を相続人全員の共有名義とする方法です。話し合いがまとまらないとき、とりあえずの解決策として選ばれることがあります。
不動産を兄弟の共有名義で相続する
実家を長男と次男が二分の一ずつの持分で所有するといった形です。持分を法定相続分に合わせれば数字の上では公平で、結論を先送りできる手軽さがあります。
共有名義は管理や売却が難しく将来の相続関係も複雑になりやすい
売却や建て替えの際には原則として共有者全員の同意が必要です。一人でも反対すれば手続きは進まず、数年後に売却したくても実現しないという事態が起こり得ます。
さらに深刻なのが次の世代への影響です。共有者の一人が亡くなればその持分は相続人へ引き継がれ、世代を重ねるごとに共有者が増えていきます。選ぶ場合は解消の道筋まで話し合っておきましょう。

兄弟間の相続トラブルを防ぐための方法と対策
ここまで見てきたトラブルの多くは、事前の準備と情報の共有によって発生そのものを抑えられます。話し合いが感情的になる前に、事実関係を整えておくことが何よりの対策です。
対策の柱は、相続人と財産を正確に把握すること、その情報を全員で共有すること、合意内容を書面に残すことの三つです。順番を守って進めることが成功率を高めます。
相続人と相続財産を正確に把握する
すべての出発点は、誰が相続人で、どのような財産があるのかを確定させる作業です。この土台があいまいなままだと、後から協議をやり直すことになりかねません。
戸籍を収集して相続人の範囲を確定する
亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍をすべて取得する必要があります。戸籍は法改正のたびに作り替えられてきたため、一つの戸籍だけでは全体を確認できません。
費用は戸籍全部事項証明書が1通450円、除籍謄本や改製原戸籍謄本が1通750円が標準です。兄弟姉妹が相続人になる場合は両親それぞれの戸籍も必要で、取り寄せる通数が数十通に及ぶこともあります。
不動産や預貯金、借金などを含む財産一覧を作成する
不動産は登記事項証明書や固定資産税の納税通知書、預貯金は通帳、有価証券は取引報告書などを手がかりに洗い出します。借入残高の通知やカードの利用明細も忘れずに確認しましょう。
負債の確認を後回しにすると判断を誤るおそれがあります。借金が財産を上回る場合の相続放棄には、原則として相続の開始を知ったときから三か月以内という期限が設けられているためです。
情報と評価基準を兄弟間で共有する
調査が終わったら内容を兄弟全員に共有します。ここを飛ばして分け方の提案だけを持ちかけると、不信感を招く原因になります。
兄弟全員が同じ資料と財産情報を確認する
一人だけが情報を握っている状態は、それ自体が対立の火種です。同じ資料を全員が手元に持つ状態をつくることで議論の前提がそろい、話し合いが前に進みやすくなります。
不動産の評価方法や遺産を分ける基準をそろえる
評価方法には固定資産税評価額、相続税評価額、査定価格、鑑定評価などがあります。採用する基準を最初に全員で合意しておくことが、無用な対立を避けるコツです。
介護や生前贈与についても同様で、どこまでを考慮に入れるかを先に決めておけば、後から蒸し返される事態を防ぎやすくなります。
合意内容を書面に残し、解決が難しい場合は専門家へ相談する
話し合いがまとまったら、必ず書面に残します。口約束だけで済ませると、時間が経ってから解釈の食い違いが生じるおそれがあるためです。
全員が合意した分け方を遺産分割協議書にまとめる
不動産は所在や地番、家屋番号を登記のとおりに、預貯金は金融機関名や口座番号まで記載します。記載が曖昧だと手続きに使えないおそれがあるため、正確さが欠かせません。
相続人全員が署名し、実印を押したうえで印鑑証明書を添えるのが一般的です。代償金の支払いがある場合は、支払期限や方法まで明記しておきましょう。
合意できない場合は遺産分割調停や審判を検討する
家庭裁判所の調停では、調停委員が間に入って解決の道を探ります。申立費用は亡くなった方一人につき収入印紙1,200円と郵便切手が基本で、当事者が直接顔を合わせずに進められます。
調停でも合意できなければ審判に移行しますが、法定相続分を基礎とした判断がなされる傾向があります。解決までは名義変更も進められないため、できる限り協議の段階で決着させることが望ましいといえます。

兄弟が関係する相続なら「司法書士・行政書士 三浦事務所」におまかせください
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まとめ
兄弟が関係する相続には、親の財産を子どもである兄弟が相続する場合と、亡くなった方の兄弟姉妹が相続人になる場合の二つがあります。同じ言葉で語られていても、法律上の扱いはまったく別ものです。
親の子どもとして相続する場合と、亡くなった方の兄弟姉妹として相続する場合とでは、相続人の範囲、法定相続分、遺留分の有無などが異なります。まずは自分がどの立場で相続するのかを整理することが、すべての出発点になります。
本記事の要点を、あらためて整理しておきます。子どもである兄弟が相続する場合の法定相続分は原則として均等です。亡くなった方の兄弟姉妹が配偶者とともに相続する場合は、配偶者が四分の三、兄弟姉妹が全体で四分の一となります。父母の一方だけが同じ兄弟姉妹の相続分は、双方が同じ兄弟姉妹の二分の一です。
そして、亡くなった方の兄弟姉妹には遺留分が認められていません。遺言書があれば内容がそのまま実現するため、子どものいないご夫婦にとっては、生前の準備がとりわけ大きな意味を持ちます。
また、兄弟で相続する場合は、財産の金額だけでなく、親の介護や生前贈与、実家への思いなどが関係し、話し合いが複雑になりやすい傾向があります。戸籍や財産を調査し、兄弟全員が同じ情報と評価基準を共有したうえで、遺産の分け方を話し合いましょう。
分け方の選択肢としては、現物分割、換価分割、代償分割、共有分割の四つがあります。共有分割は一時的な解決には使えるものの、将来の管理や売却で行き詰まりやすい点には注意が必要です。
法定相続分は遺産を分ける際の基準となりますが、相続人全員が合意すれば、異なる割合で分けることも可能です。合意した内容は必ず遺産分割協議書にまとめ、後から解釈が分かれない形で残しておいてください。
兄弟間だけで合意することが難しい場合や、相続人・財産の調査、相続登記などに不安がある場合は、問題が大きくなる前に専門家へ相談しましょう。早い段階での相談が選択肢を広げます。愛知県安城市の司法書士・行政書士 三浦事務所では初回のご相談を無料で承っていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。